平成27年4月号のレポートを掲載しました。

(株)中部衛生検査センター
 学術顧問
森田邦雄

1 食事による栄養摂取量の基準の全部を改正

平成27年3月31日、厚生労働大臣は、健康増進法第30条の2第1項の規定に基づく「食事による栄養摂取量の基準」の全部を改正する告示(厚生労働省告示第199号)を公布した。 新たな食事による栄養摂取量の基準では、次の規定が新たに加えられている。 (定義) 第2条 一 食事摂取基準 食事による栄養素摂取量の基準をいう。 二 ボディ・マス・インデックス 体重(キログラム)を、身長(メートル)の二乗で除した数値を言う。 (熱量の食事摂取基準) 第3条 エネルギーの摂取量及び消費量のバランスの維持を示す指標として、目標とするボディ・マス・インデックスの範囲は別表第1のとおりとする。 別表第1 熱量の食事摂取基準(目標とするボディ・マス・インデックスの範囲) 年齢 目標とするボディ・マス・インデックス(kg/m²) 18~49 18.5~24.9 50~69 20.0~24.9 70以上 21.5~24.9 http://kanpou.npb.go.jp/20150331/20150331g00073/20150331g000730232f.html2 平成25年国民健康・栄養調査報告公表  平成27年4月1日、厚生労働省は平成25年国民健康・栄養調査報告を公表した。結果の概要は、第1部食事に関する状況 第2部身体活動・運動及び睡眠に関する状況 第3部身体状況及び糖尿病等に関する状況 第4部咀嚼・嚥下に関する状況 第5部飲酒・喫煙に関する状況により構成されている。  第1部 食事に関する状況では、エネルギー収支バランスの指標としての体格の状況、エネルギー及び栄養素等摂取量、食品群別摂取量の状況、食品群の組合せ状況等がまとめられている http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h25-houkoku.html3 食品の安全性に関する用語集(第5版)公表  平成27年4月3日、食品安全委員会は、「食品の安全性に関する用語集(第5版)」を公表した。 http://www.fsc.go.jp/yougoshu/yougoshu_fsc_5_201504.pdf4 機能性表示食品届出一覧及び届出情報の詳細公表  平成27年4月17日、消費者庁は機能性表示食品届出一覧及び届出情報の詳細を公表し、逐次追加している。 http://www.caa.go.jp/foods/index23.html#m045 事例でわかる景品表示法を掲示  平成27年4月24日、消費者庁は「事例でわかる景品表示法 不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック」をホームページに掲示した。 内容は、「優良誤認表示」とは、「不実証広告規制」とは、「有利誤認表示」とは、その他、誤認されるおそれのある表示、違反行為に対する措置命令、「課徴金制度」の導入等が分かりやすく記載されている。 http://www.caa.go.jp/representation/pdf/130208premiums.pdf6 平成26年度マーケットバスケット方式による保存料等の摂取量調査の結果公表  厚生労働省は、平成27年4月24日開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会において標記調査結果を公表した。その主な内容は次のとおり。  これまで、マーケットバスケット方式により添加物の一日摂取量調査を実施し、指定添加物を中心に我が国における食品添加物の摂取実態を明らかにする取組を行ってきている。  平成26年度は、小児(1~6歳)の喫食量に基づき、保存料(2種類)、着色料(14種類)、甘味料(2種類)、製造用剤(1種類)及び結着剤(2種類)の一日摂取量調査を行った。  具体的な対象物質は下表のとおりであり、これらについて加工食品群による摂取量調査を実施した。 表 平成26年度マーケットバスケット調査対象添加物 分 類 物 質 名 保存料 安息香酸、ソルビン酸 着色料 ノルビキシン及びビキシン、食用タール色素(食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号) 甘味料 アセスルファムカリウム、スクラロース 製造用剤 プロピレングリコール 結着剤 総リン酸塩類(オルトリン酸、縮合リン酸) 結果及び考察  混合群推定一日摂取量で一日摂取量が比較的多かったのは、保存料ではソルビン酸(3.40mg/人/日)、着色料では食用黄色4号(0.0255mg/人/日)、甘味料ではスクラロース(0.386 mg/人/日)、結着剤ではオルトリン酸(186.4mg/人/日)であった。製造用剤プロピレングリコールの一日摂取量は12.0 mg/人/日であった。  また、JECFAにおいて設定された一日摂取許容量(ADI)又は最大耐容一日摂取量(MTDI)に対する占有率(以下「対ADI比」という。)をみると、小児における対ADI比が最も高かったのは、保存料では安息香酸(1.35%)、着色料ではノルビキシン(0.13%)、甘味料ではスクラロース(0.16%)であった。また、製造用剤のプロピレングリコールは2.91%、結着剤の総リン酸塩類は17.6%であった。いずれもADIを大きく下回っており、本調査の結果、これらの食品添加物については安全性上、特段の問題はないと考えられた。  また、平成21年度に実施した小児におけるマーケットバスケット方式による推定一日摂取量の結果と比較を行った結果、食品添加物の摂取量に大きな変動はみられなかった。 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000083776.pdf