「食品衛生行政」国の動き 2022(令和4)年2月

 
(株)中部衛生検査センター顧問
森田邦雄
 

1 「食品安全総合情報システム」公表

 令和4年2月10日、食品安全委員会が公表した標記システムに次の記事が掲載されている。

  https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/search?year=&from=struct&from_year=2022&from_month=1&from_day=15&to=struct&to_year=2022&to_month=1&to_day=28&max=100

 欧州連合(EU)は、2022年1月18日、食品添加物の二酸化チタン(E171)(注:以下E171を省略)に関する欧州議会及び理事会規則(EC)No1333/2008附属書Ⅱ及びⅢの改正を官報で公表した。

 二酸化チタンは、規則(EC) No1333/2008附属書Ⅱ(※訳注1)の規定に従った特定の食品における着色料として認可された物質である。
(※訳注1)欧州議会及び理事会規則(EC)No 1333/2008

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:02008R1333-20210808&qid=1642641701245&from=EN

 2021年5月、欧州食品安全機関(EFSA)は、食品添加物としての二酸化チタンの安全性評価に関する科学的意見書(※訳注2)を公表した。
(※訳注2) EFSAの二酸化チタンの安全性評価に関する科学的意見書

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6585

 EFSAは、利用可能な全てのエビデンスに基づき遺伝毒性の懸念が排除できないと述べ、多くの不確実性があるため、食品添加物として使用される場合、二酸化チタンはもはや安全とはみなされないと結論付けた。

 食品への二酸化チタンの使用の認可を取り消すことが適切である。したがって、二酸化チタンは食品に使用してはならない。

 しかしながら、EFSAは、食品添加物として使用される二酸化チタンに関連する緊急の健康懸念を特定しなかったことを考慮し、円滑な移行が可能になるように、本規則の施行日前の準拠規則に従って使用された二酸化チタンを含有する食品は、施行日から6ヶ月後まで市場投入できることが適切である。これらの食品は、その後、最短の賞味期限又は消費期限まで継続して市場に流通させることができる。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05760080305

2 「中小規模調理施設における衛生管理の徹底について」の一部改正について

 令和4年2月7日、厚生労働省は、医薬・生活衛生局食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長 宛標記通知を出した。

 その主な内容は、次の通り。
 中小規模調理施設については、「中小規模調理施設における衛生管理の徹底について」(平成9年6月30日付け衛食第201号厚生省生活衛生局食品保健課長通知。以下「中小通知」という。)において、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月31日衛食第85号)の趣旨を踏まえた衛生管理の徹底を図るよう関係者に対する指導をお願いしているところです。

 一方、「食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う集団給食施設の取扱いについて」(令和2年8月5日付け薬生食監発第0805第3号)において、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を活用していない中小規模等の集団給食施設においては、関係業界団体等が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書(以下単に「手引書」という。)を参考に、HACCP に沿った衛生管理を実施することも可能であることを示しており、今般、その旨、通知を改正した。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000897953.pdf