キャンプなど野外でのバーベキューにおける食中毒予防のポイント

(株)中部衛生検査センター
学術顧問 小沼博隆

夏から秋口にかけて、キャンプなど屋外でバーベキューを行う機会が増える季節です。その一方で、気温や湿度が高く、食中毒の原因となる細菌が増殖しやすい季節でもあります。特に、生肉、生レバーなどでは腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌に、また、生の魚介類などでは腸炎ビブリオに汚染されている可能性があります。一方、豚肉(内臓、レバーなどを含む)及びジビエ(シカ肉、イノシシ肉など)では、E型肝炎ウイルスや寄生虫に肉の内部まで汚染されている可能性があります。さらに、素手で作ったおにぎりは、黄色ブドウ球菌により汚染されている可能性があります。そこで、キャンプなど野外でのバーベキューにおける食中毒予防のポイントは以下のとおりです。


① 肉や魚介類には食中毒を起こす細菌、ウイルス、寄生虫汚染の可能性があるので、加熱調理するまでの間は低温保存すること。

② 生肉、生レバー、生魚介類などに使用する箸やトングは、“生もの専用”にすること。

③ 食べるためのお箸で生ものを取り扱わないこと。

④ 加熱が不十分な生焼けの肉や魚介類は、細菌などが生き残っている可能性があるので、食べないこと。

⑤ よく焼けば細菌、ウイルス、寄生虫は死滅するので、しっかり加熱してから食べること(表1参照)。

⑥ おにぎりを作る際には手指をよく洗うこと、傷や手荒れがある場合はラップやビニール手袋を使うことが重要です。なお、炊きたてのご飯で作ったおにぎりを短時間のうちに食べる場合は、全く問題ありません。


キャンプなど野外でのバーベキューにおいては、以上の食中毒予防のポイントに注意し、楽しく過ごしましょう!