平成29年2月号のレポートを掲載しました。

(株)中部衛生検査センター
 学術顧問
森田邦雄

1 厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則の一部を改正する省令公布

平成29年2月13日、標記省令が公布され、平成29年4月1日から施行されることとされたことに伴い、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長名をもって各都道府県知事宛に施行通知が出された。その主な内容は次のとおり。 国内の牛海綿状脳症(BSE)対策を開始して15年以上が経過し、国内外のリスクが大きく低下したこと及び内閣府食品安全委員会の食品健康影響評価の結果(平成28年8月)を踏まえ、健康牛に係るBSE検査を廃止するため、厚生労働省牛海綿状脳症対策特置法施行規則第1条の規定を削除した。 (参考) 厚生労働省牛海綿状脳症対策特置法施行規則 (と畜場における牛海綿状脳症に係る検査の対象となる牛の月齢) 第一条 牛海綿状脳症対策特別措置法(平成十四年法律第七十号。以下「法」という。)第七条第一項の厚生労働省令で定める月齢は、四十八月(ただし、出生の年月日から起算して四十八月を経過した日を除く。)とする。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000151391.pdf2 伝達性海綿状脳症検査実施要領の改正通知 平成29年2月13日、厚生労働省は医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長名をもって各都道府県知事等に標記通知を出した。その主な内容は次のとおり 伝達性海綿状脳症(TSE)に関する検査については、「牛海綿状脳症に関する検査の実施について」(平成13年10月16日付け食発第307号、以下「通知」という)により実施しているが、今般、本日公布された厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則の一部を改正する省令により、厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則の一部が改正され、平成29年4月1日から、と畜場における健康牛に係るBSE検査が廃止されることから、伝達性海綿状脳症検査実施要領について改正した。 本通知の内容については平成29年4月1日から適用するものとし、要領別添1「第5.確認検査のための検体送付」の改正についてのみ本日より適用される。 伝達性海綿状脳症検査実施要領の改正の主な点は次のとおり。 「4 生体検査の結果に基づく措置」 (1)生体検査の結果、当該牛、めん羊及び山羊がTSEにり患している疑いがあると判断した場合(家畜伝染病予防法第2条に規定する疑似患畜に該当。)には、当該牛、めん羊及び山羊のとさつ又は解体により病毒(異常プリオンたん白質)を伝染させるおそれがあると認められるため、法第16条第1号の規定に基づきとさつ解体禁止の措置をとること。 (2)、(3) (略) (4)(1)には該当しないが、生後24か月齢以上の牛のうち、生体検査において、原因不明の運動障害、知覚障害、反射異常、意識障害等の何らかの神経症状又は全身症状(事故による骨折、関節炎、熱射病等による起立不能等症状の原因が明らかな牛は除く。)を示す牛について、と畜検査員が疾病鑑別の観点から検査が必要であると判断する場合は、原則としてとさつ解体を行った当日にスクリーニング検査を実施すること。 (5)(1)には該当しないが、めん羊及び山羊のうち、生体検査において、削痩、被毛粗剛、脱毛、そう痒症、関節炎、異常行動、運動失調等の臨床症状を呈するめん羊及び山羊について、と畜検査員が疾病鑑別の観点から検査が必要であると判断する場合は、原則としてとさつ解体を行った当日にスクリーニング検査を実施すること。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000151393.pdf3 特定危険部位の管理及び牛海綿状脳症検査に係る分別管理等のガイドラインの改正通知 平成29年2月13日、厚生労働省は医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課長及び監視安全課長連名で各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。その主な内容は次のとおり。 特定危険部位の管理及び牛海綿状脳症検査に係る分別管理等については、「特定危険部位の管理及び牛海綿状脳症検査に係る分別管理等のガイドライン」により実施されているが、今般、厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則の一部を改正する省令が公布され、月齢が48月を超える健康牛のBSE検査が廃止されたことに伴い、月齢が48月を超える健康牛に係る部分を削除するため当該ガイドラインを改正したもので、平成29年4月1日から適用するものとし、3月31日までの取扱いは従前のとおり。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000151392.pdf4 日本サプリメント株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令及び特定保健用食品等に関する景品表示法の取組について公表 平成29年2月14日、消費者庁は、日本サプリメント株式会社に対し、同社が供給する特定保健用食品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行った。 また、特定保健用食品等に関する景品表示法の取組として、①特定保健用食品の許可要件を満たさない商品に対する厳正な対応、②特定保健用食品及び機能性表示食品の全商品のウェブサイト等における表示監視を行うこととし、これら取組方針を特定保健用食品の全許可事業者及び機能性表示食品の全届出事業者に対し通知し、社内体制の確認等所要の対応を要請した。その主な内容は次のとおり (1) 措置命令について ● 対象食品  ペプチドシリーズ及び豆鼓エキスシリーズ、ペプチドシリーズの場合 ● 実際の内容 ペプチドシリーズ5商品の各商品は、それぞれ、遅くとも平成23年8月以降、品質管理として、包装後の製品における関与成分についての試験検査が行われておらず、また、平成26年9月に、関与成分の特定ができないことが判明しており、健康増進法第26条第1項の規定に基づく特定保健用食品の許可等の要件を満たしていないものであった。 ● 措置命令の概要 各商品の内容について、それぞれ、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を確認するとともに、今後、同様の表示が行われることを防止するために必要な措置を講じ、これを役員及び従業員に周知徹底しなければならない。 今後、ペプチドシリーズ5商品又はこれらと同種の商品の取引に関し、前記イ記載の表示と同様の表示を行うことにより、当該商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしてはならない。 (2) 特定保健用食品等に関する景品表示法の取組等について ● 景品表示法違反行為に対する厳正な対処 特定保健用食品について、許可の要件を充足しているかどうかを確認することは、健康増進法上、許可事業者の当然の責務であるが、当該確認怠ることは景品表示法第26条第1項の規定に違反するものであり、許可の要件を満たさない商品を販売することは、商品の取引に関し、表示と実際が異なる、優良誤認に該当する表示をするものであり、景品表示法上問題となる。 特定保健用食品については、消費者の関心が高く、また、身体に影響するものであることに鑑み、消費者庁が今後予定している買上げ調査の結果を含め、特定保健用食品に係る景品表示法違反事案に接した場合には厳正に対処する。 http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170214_0001.pdf5 ノロウイルスによる食中毒予防の徹底について通知 平成29年2月27日、厚生労働省は医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管 部(局)長宛標記通知を出した。その主な内容は次のとおり。 先月、和歌山県御坊市において患者数が500人以上、先日、東京都立川市において患者数1000人以上※のノロウイルスによる大規模食中毒事案が発生しています。※立川市の調査結果(平成29年2月24日正午現在) つきましては、ノロウイルスの感染や食中毒の予防の観点から、引き続き「ノロウイルスに関するQ&A」(最終改定:平成28年11月18日)、「ノロウイルス等の食中毒予防のための適切な手洗い(動画)」等を参考に、手洗いの徹底、糞便・吐物の適切な処理等、より一層の感染予防対策の啓発に努めるようお願いします。 加えて、これまで感染者が食品の取扱いに従事することによる食中毒も多発していることから、従事者の健康状態の確認を徹底するとともに、体調不良者については食品の取扱いに従事しないよう引き続き指導方よろしくお願いします。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000153233.pdf6 ノロウイルスによる食中毒の調査及び注意喚起について通知 平成29年3月1日、生労働省は医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管 部(局)長宛標記通知を出した。その主な内容は次のとおり。 ノロウイルスによる食中毒予防の徹底について、平成29年2月27日付けで通知したところですが、東京都の調査において、(株)東海屋(大阪市都島区中野町2-5-2)が製造した「キザミのり2ミリ青」からノロウイルスが検出され、当該事業者が当該製品を含む複数の製品について、ノロウイルス汚染の可能性が否定できないとして自主回収を行っています。(別添1、2) 現在、関係自治体において原因調査等が進められているところですが、当該製品によるノロウイルス食中毒の被害拡大防止の観点から下記のとおり対応をよろしくお願いします。 記 1. ノロウイルスが疑われる食中毒調査を実施する場合は、当該製品及び上記製造者の同様製品の使用、喫食状況を調査し、関連性を確認すること。また、該当する情報を得た場合には当職まで速やかに連絡をお願いしたいこと。 2. 住民等から自主回収対象食品による相談があった場合は、喫食を控えるよう指導するともに、上記事業者の自主回収情報を提供すること。また、健康被害の苦情等の相談があった場合は、速やかに医療機関の受診を勧奨するなど適切な対応をすること。 別添1の主な内容 平成29年2月28日、東京都福祉保健局が公表した、立川市立小学校における給食による食中毒(第2 報)~食材の検査結果が判明しました~ 1 検査結果(平成29年2月27日(月)現在) 平成29年2月16日(木)の給食の親子丼に「キザミのり」が使用されており、仕入れ先に保管されていた同じ賞味期限の未開封製品15検体のうち、4検体からノロウイルスを検出しました(検査機関:東京都健康安全研究センター)。 2 ノロウイルスの遺伝子検査結果 当該「キザミのり」及び患者7名のふん便並びに1名の吐物から検出したノロウイルスの遺伝子配列検査を実施したところ、一致しました。 3 当該品への対応について 都は、当該品の製造者を管轄する大阪市に対し、検査結果を通報するとともに、流通状況の調査を依頼しました。 大阪市は、当該製造者に回収を指導し、製造者が自主回収しています。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000153566.pdf7 株式会社マハロ、株式会社メロディアンハーモニーファイン及び千代田薬品工業株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について公表 平成29年3月3日、消費者庁は、株式会社マハロ、株式会社メロディアンハーモニーファイン及び千代田薬品工業株式会社に対し、景品表示法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行い公表した。その主な内容は次のとおり。 3社が供給する水素を含む清涼飲料水に係る表示について、消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、3社に対し、それぞれ当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、株式会社メロディアンハーモニーファイン及び千代田薬品工業株式会社から資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。 ● 措置命令の概要 ア 前記の表示は、対象商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。 イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。 ウ 今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと。 http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170303_0001.pdf