「食品衛生行政」国の動き 2021(令和3)年1月

 
(株)中部衛生検査センター顧問
森田邦雄
 

1 乳等に使用する添加物、乳等の容器包装等に係る厚生労働大臣の承認について(一部改正)

 令和2年12月25日、厚生労働省は医薬・生活衛生局食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。これは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(以下「乳等省令」という。)に基づく乳等に使用する添加物、乳等の容器包装等に係る厚生労働大臣の承認について、平成9年1月29日付け衛乳第27 号(以下、「平成9年通知」)に基づき取扱われているが、12月4日乳等省令が改正され、乳等の容器包装等に係る規定が削除されたことに伴う平成9年通知の一部改正について通知したが、その通知の内容に一部誤りがあったことから当該通知については廃止とし、本通知にて改めて平成9年通知を改正したものである。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000712087.pdf

 

2 営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A

 令和2年12月28日、厚生労働省は標記Q&Aを公表した。これは、平成30 年6 月13 日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律では、実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34 業種)以外の事業者の届出制度の創設に関する内容が盛り込まれている。そこで営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関してよく寄せられる質問に関するQ&Aを公表したものである。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000712664.pdf

 また、同日、法令、施行通知等にその取扱いに係る記載がなされているもののうち、自治体からよく寄せられる質問についてのQ&Aも公表された

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000712666.pdf

 

3 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格 基準の一部を改正する件について

 令和3年1月15日、厚生労働省は大臣官房生活衛生・食品安全審議官名をもって各都道府県知事等宛標記通知を出した。これは、同日、食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件が公布又は告示され、食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部がそれぞれ改正されたことに伴うものでその内容は次の通り。
 食品衛生法第12条の規定に基づき、亜硫酸水素アンモニウム水、キチングルカン、DL-酒石酸カリウム及びビニルイミダゾール・ビニルピロリドン共重合体(以下「指定4品目」という。)を省令別表第1に追加したこと。
 指定4品目の使用に当たっては、使用基準を遵守するとともに、適切な製造工程管理を行い、食品中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないものとすること。
 指定4品目の使用基準にいうぶどう酒とは、酒税法第3条第13号に規定する果実酒又は同条第14号に規定する甘味果実酒に該当し、ぶどうを主原料とするものであること。
施行期日及び適用期日は公布日及び告示からとする。

https://www.mhlw.go.jp/content/000719129.pdf

 

4 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(清涼飲料水の製造基準の一部改正)

 令和3年1月21日、厚生労働省は大臣官房生活衛生・食品安全審議官名をもって各検疫所長宛標記通知を出した。これは、改正前の食品衛生法第13条に基づく総合衛生管理製造過程において厚生労働大臣の承認受けていたものに対するものでその主な内容は次の通り。
 ミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水について、殺菌又は除菌した後に乳酸菌、酵母、発酵乳又は乳酸菌飲料を混合するときは、病原微生物により汚染されない適当な方法で管理しなければならない旨の製造基準が追加された。
 総合衛生管理製造過程に基づく承認品は、殺菌した後に乳酸菌又は発酵乳を混合しているが、HACCP に基づく衛生管理や一般衛生管理によって病原微生物の制御がなされていることから、食品衛生上問題ないことが確認され、承認されたものである。
 このため、運用上の注意として、製造基準の適合性(乳酸菌、酵母、発酵乳又は乳酸菌飲料の混合以降の工程が病原微生物により汚染されない適切な方法で管理されていること等)については、当分の間、別添に定めるところにより、個別に厚生労働省に照会することとした。
 適用期日は告示の日から。

https://www.mhlw.go.jp/content/11135200/000725938.pdf