「食品衛生行政」国の動き 2021(令和3)年4月

 
(株)中部衛生検査センター顧問
森田邦雄
 

1 食品添加物表示に関するマメ知識(消費者向け)

 令和3年4月8日、消費庁は、標記について公表した。その内容は、次の通り。
1 食品添加物は、どこに表示されているの?
2 食品添加物は、どのように表示されているの?(食品添加物表示の方法)
3 食品添加物って何?
4 食品添加物の種類と使われ方は?
5 食品添加物は、どのように使用が認められるの?
6 食品添加物って安全なの?

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_210408_01.pdf


2 「食品安全総合情報システム」公表

 令和3年4月16日、食品安全委員会が公表した標記システムに次の記事が掲載されている。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/search?keyword=%EF%BC%AC%EF%BC%A4%EF%BC%95%EF%BC%90&query=&logic=and&calendar=japanese&year=&from=struct&from_year=2021&from_month=03&from_day=20&to=struct&to_year=2021&to_month=04&to_day=02&areaId=00&countryId=000&informationSourceId=0000&max=100&sort_order=date.desc

 国際がん研究機関(IARC)は、3月31日、欧州9か国におけるトランス脂肪酸の食事による摂取と乳がんリスクに関する研究について公表した。

 IARCとそのパートナー機関は、工業的に生産されたトランス脂肪酸(industrial trans fatty acids)の食事による摂取が乳がんのリスクの上昇に関連していることを見出した。本研究は、トランス脂肪酸の食事による摂取と乳がんの関係を包括的に調査した最も大規模な研究であり、その結果は、BMC Medicineに公表された。

 EPIC(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition)コホート研究に参加した300,000人以上の女性について、工業的に生産されたトランス脂肪酸と反すう動物由来のトランス脂肪酸(ruminant trans fatty acids)の食事による摂取と乳がんのリスクの関連を調査した。

 本結果は、工業的に生産されたトランス脂肪酸、特にエライジン酸の食事による摂取量が多いと乳がんのリスクが上昇するという仮説を支持するものであった。これらの関連の根拠となりうる生物学的経路を特定するためには、更なるメカニズムの研究が必要である。 

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05580460298

3 有毒植物による食中防止の徹底ついて

 令和3年4月20日、厚生労働省は、医薬・活衛局食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。その主な内容は、次の通り。
 例年、特に春先から初夏にかけて、有毒植物の誤食による食中毒が多く発生しています。
つきましては、各都道府県等におかれては、厚生労働省で作成したリーフレットや自然毒のリスクプロファイル等を活用するなどにより、食用と確実に判断できない植物については、絶対に「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」よう注意喚起を行うようお願いします。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000771317.pdf 

4 農業及び水産業における食品の採取業の範囲について

 令和3年4月22日、厚生労働省は、医薬・活衛局食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。その主な内容は、次の通り。

 農家(生産者団体を含む)が自ら生産した野菜、ハーブ、果実等(柿、あんず、芋、大根及びキノコ等(スライスしたものを含む))の天日干し・乾燥について、自治体、事業者において取扱いに相違が生じていたため、「農産物の天日干し・乾燥」に含まれることに整理し、採取業通知の一部を別紙のとおり改正します。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774306.pdf

 

5 「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A」について

 令和3年4月23日、厚生労働省は、医薬・活衛局食品監視安全課名をもって各都道府県等衛生主管部(局)宛標記事務連絡を出した。その主な内容は、次の通り。

 標記については、令和2年12 月28 日付け事務連絡(令和3年3月3日改正、厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課)にてお知らせしているところです。

今般、別添のとおり「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A(別添1及び別添2)」を改正するとともに、厚生労働省ホームページに掲載しましたので、業務の参考のためお知らせします。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774307.pdf

 

6 「営業規制の経過措置に関するQ&A」について

 令和3年4月27日、厚生労働省は、医薬・活衛局食品監視安全課名をもって各都道府県等衛生主管部(局)宛標記事務連絡を出した。その主な内容は、次の通り。

 標記について、本制度に関する問い合わせへの対応等をとりまとめ、別添のとおり「営業規制の経過措置に関するQ&A」等を作成するとともに、厚生労働省ホームページに掲載しましたので、業務の参考のためお知らせします。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774308.pdf 

7 食品中の有害化学物質等の検査結果調査及び畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査実施について

 令和3年4月28日、厚生労働省は、医薬・活衛局食品基準審査課長及び食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。

 その主な内容は、次の通り。
 令和2年度、各自治体で実施した検査の結果を、別添1「食品中の有害化学物質等の検査結果調査実施要領」により報告いただきますとともに令和3年度畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査の実施については、別添2「畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査実施要領」により実施するようお願いします。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000775336.pdf

8 「食品安全総合情報システム」公表

 令和3年4月30日、食品安全委員会が公表した標記システムに次の記事が掲載されている。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/search?keyword=%EF%BC%AC%EF%BC%A4%EF%BC%95%EF%BC%90&query=&logic=and&calendar=japanese&year=&from=struct&from_year=2021&from_month=04&from_day=03&to=struct&to_year=2021&to_month=04&to_day=16&areaId=00&countryId=000&informationSourceId=0000&max=100&sort_order=date.desc

   米国食品医薬品庁(FDA)は、4月6日、調査報告書「2020年秋の腸管出血性大腸菌O157:H7集団感染に関連した葉物野菜の汚染に関与した可能性のある要因」(13ページ)を公表した。概要は、以下のとおり。
 FDA並びに複数州及び連邦の関連機関は、2020年8月から12月の間、腸管出血性大腸菌O157:H7食中毒と葉物野菜の摂取に関連する集団感染について調査を行った。国内で40人の疾病が報告された当該集団感染は、全ゲノムシークエンス解析(WGS)及び地理的情報により、カリフォルニア州の栽培地域に遡及された2019年及び2018年の葉物野菜の摂取に関連した集団感染と関連付けられた。FDAは、州及び連邦関連機関と共に、葉物野菜の腸管出血性大腸菌O157:H7汚染につながった可能性のある要因を特定するために調査を行った。当該腸管出血性大腸菌O157:H7の集団感染株は、畜牛の糞便混合検体中で確認され、その検体は、遡及調査により当該集団感染に関連付けられた複数のほ場を持つ、ある生産農場から約1.3マイル(約2.1km)程、坂を上る道路沿いで収集されたものであった。更に、2020年の葉物野菜集団感染の複数の潜在的な要因が特定された。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05590310105