「食品衛生行政」国の動き 2021(令和3)年7月

 
(株)中部衛生検査センター顧問
森田邦雄
 

1 令和2年度食品表示に関する消費者意向調査報告書

 令和3年7月8日、消費者庁は標記報告書を公表した。

 その概要は、次の通り。
 本調査は、消費者の食品表示制度に対する理解度等を調査し、その結果を分析することで、食品表示法等の関係法令やガイドライン等の定着状況を把握するとともに、消費者の食品表示に対するニーズを把握し、食品表示制度の見直しに役立てることを目的とし、「食品表示」がどのようなものか知っている者の割合は69.5%であり、特に60代、70代以上の女性は知っている者の割合が高かった。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2020/assets/food_labeling_cms201_210708_01.pdf

2 食品、添加物等の規格基準の一部改正について(牛乳等の容器包装等に関する規格基準の改正)

 令和3年7月30日、厚生労働省は大臣官房生活衛生・食品安全審議官名をもって各検疫所長宛標記通知を出した。

 これは同日、食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件が告示され、食品、添加物等の規格基準中、牛乳等の容器包装等に関する規格基準が改正されたことに伴うもので、その主な内容は、次の通り。

 牛乳等の容器包装については、内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂に関して、原則、添加剤を使用してはならない旨の規定(以下「添加剤使用禁止規定」という。)が置かれている。

 令和2年6月1日に食品衛生法等の一部を改正する法律の一部が施行され、合成樹脂の原材料であってこれに含まれる物質については、規格が定められたもののみを食品用器具及び容器包装に使用可能とする仕組みが導入されたことを踏まえ、添加剤使用禁止規定を削除する。

 本改正により、すでに乳飲料等で使用されている容器包装と同様の設計が牛乳等に使用される容器包装においても可能となる。

適用期日は告示日からとする。

https://www.mhlw.go.jp/content/11135200/000814790.pdf

 これに関し、同日、厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課から各検疫所宛「食品、添加物等の規格基準の一部改正について(牛乳等の容器包装等に関する規格基準の改正) に関する参考情報の送付について」の事務連絡が出された。その主な内容は次の通り。

 牛乳等の容器包装について、内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂に関して、原則、添加剤を使用してはならないとする規定が削除された。

 今般、別添1のとおり、一般社団法人日本乳業協会において、牛乳等の衛生的な取扱いについてガイドラインが策定され、別添2のとおり、一般社団法人日本乳容器・機器協会において、乳等の容器包装に関する自主基準が改正され、使用できる添加剤について規定されたため、事務執行の参考にされたい。

https://www.mhlw.go.jp/content/11135200/000814791.pdf

3 食品、添加物等の規格 基準の一部を改正する件について(小麦中のデオキシニバレノールに係る基準値設定)

 令和3年7月30日、厚生労働省は大臣官房生活衛生・食品安全審議官名をもって各検疫所長宛標記通知を出した。

これは同日、食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件が告示され、食品、添加物等の規格基準に小麦中のデオキシニバレノールに係る基準値が設定されたもので、その主な内容は次の通り。

 小麦に含まれるデオキシニバレノールについては、「小麦のデオキシニバレノールに係る暫定的な基準値の設定について」(平成14年5月21日付け食発第0521002号)により、規格基準の設定までの間、行政上の指導指針として暫定的な基準値を1.1ppmと示していたところである。

 今般、食品衛生法第13条第1項に基づき、穀類及び豆類の成分規格に、小麦についてデオキシニバレノールを1.0mg/kgを超えて含有するものであってはならない旨の成分規格を新たに設定したものである。

適用期日は令和4年4月1日から適用すること。

https://www.mhlw.go.jp/content/11135200/000814793.pdf