「食品衛生行政」国の動き 2021(令和3)年12月

 
(株)中部衛生検査センター顧問
森田邦雄
 

1 「食品安全総合情報システム」公表

 令和3年12月3日、食品安全委員会が公表した標記システムに次の記事が掲載されている。

  https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/search?year=&from=struct&from_year=2021&from_month=11&from_day=6&to=struct&to_year=2021&to_month=11&to_day=18&max=100

 欧州委員会(EC)、EU市場向けの食品成分として二番目の昆虫の認可を公表

 欧州委員会(EC)は、Locusta migratoria(トノサマバッタ)を新食品(novel food)として市場投入することを認可した。昆虫の新食品としての最初の認可は、7月に採択された乾燥形態の黄色ミールワームに対するもので、今回はそれに続く二番目の認可となる。

 Locusta migratoriaは冷凍、乾燥形態及び粉末化した形態で利用可能であり、スナックや食品成分として多くの食品に配合して販売されることが意図されている。

 当該認可は、申請企業が提出した用途のもとで、Locusta migratoriaが安全であると結論付けた欧州食品安全機関(EFSA)による厳格な科学的評価の結果を受けて行われた。当該新食品を含む製品には、アレルギー反応を誘発する可能性を知らせる表示をする。

 欧州委員会による当該認可は、申請が提出された加盟国の賛成票を9月に得たことを受けたものである。

 国際連合食糧農業機関(FAO)は、様々な研究において、昆虫が脂肪、タンパク質、ビタミン、繊維質、ミネラルを多く含む栄養価の高い健康的な食料源であると認めている。世界で何百万もの人々によって毎日摂取されている昆虫は、Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略のもとで、より持続可能な食料システムへの移行を促進することのできる代替タンパク質源として特定された。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05720470378

2 と畜・食鳥検査等に関する実態調査の結果について

 令和3年12月15日、厚生労働省は医薬・生活衛生局食品監視安全課長名をもって各都道府県等衛生主管部(局)長宛標記通知を出した。

 これは、各都道府県等に依頼した令和2年度の実績の調査結果を取りまとめたものでその主なものは次の通り。

(1)と畜場数(令和2年度実績、以下同じ)
 一般と畜場 166  簡易と畜場 2  合計 168

(2)一般と畜場のと畜頭数(頭)
牛 1,054,419  馬 10,563  豚 16,684,006  めん羊 5,160  山羊 3,727

(3)簡易と畜場のと畜頭数
豚 24  めん羊 108

(4)規模別食鳥処理場数
大規模食鳥処理場 139  認定小規模食鳥処理場 1,559  計 1,698
(注)認定書規模食鳥処理場とは、年間処理羽数が30万羽以下の施設で、都道府県知事から食鳥食鳥処理の確認規定について、認定を受けた施設を指す。

(5)処理羽数
ブロイラー 741,632,522 成鶏 94,283,013 その他 1,937,144 合計 837,852,679

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000866908.pdf

3 令和3年度輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果(中間報告)の公表

 令和3年12月20日、厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課輸入食品安全対策室は、標記結果を公表した。

 その主な内容は次の通り。
 令和3年4月から同年9月までの輸入届出件数は1,246,313件[1,164,822件]であり、輸入届出重量は約11,891千トン[約11,684千トン]でした。

 これに対し、102,352件[98,296件](モニタリング検査26,614件[25,184件]、検査命令32,819件[33,233件]、自主検査43,742件[41,417件]等の合計から重複を除いた数値)の検査を実施し、このうち398件[305件]を食品衛生法違反として、積戻しや廃棄等の措置を講じました。

[ ]内は令和2年度同期間の実績値、今年度の数値はいずれも速報値

 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22746.html