【講演No.2】

「給食(学校給食、給食事業所」調理の安全性管理に向けて」― 食肉を中心に -

国立大学法人 岩手大学 名誉教授 品川邦汎

 本講演では、学校・病院および弁当等の給食事業所における安全で衛生的な調理について、特に給食等に多く用いられている食肉・食鳥肉の衛生的取り扱い・管理方法を概説し、皆様に給食の安全管理の重要性を知って頂きたいと思います。
 講演は、以下の項目に添って概説致します。

1.食の安全を守る諸制度
食の安全について、我が国において食品の安全性確保として設定された食品安全法の基本等を紹介します。
1)食の安全と安心、リスク管理と危機管理
2)食品の安全性を確保するための食品安全基本法

2.食中毒発生防止のための取り組み
食の安全性確保として重要な食品による危害発生要因、特に学校給食による食中毒発生状況とその主な原因菌、給食において食中毒発生の多い食肉・食鳥肉の安全性確保(食中毒発生防止)等について概説します。
1)食品によるハザードと健康被害発生微生物
  (食中毒菌、人獣共通感染症菌)
2)微生物食中毒菌とその発生要因
3)微生物食中毒菌発生状況
  (幼稚園・学校、病院に於ける発生件数、患者数)
4)食肉・食鳥肉による主要な食中毒の発生と食中毒菌の特徴
  (腸管出血性大腸菌、ウェルシュ菌、カンピロバクターを中心に)
5)食肉・食鳥肉による食中毒防止対策
  (家畜・食鳥生産農場から食卓までの衛生管理対策)

3.食肉・食鳥肉の安全性確保対策
学校給食・食品事業所等で広く用いられている食肉・食鳥肉の衛生管理の取り組み、さらに近年増加し、給食にも用いられているジビエ(野生鳥獣肉)の安全管理について概説します。
1)家畜・家禽をと殺解体処理すると畜場・食鳥処理場~食卓までの衛生管理
2)近年増加し、食肉として食用されているジビエの取り扱いと衛生管理
3)食肉・食鳥肉・ジビエの調理・加工におけるHACCP方式による衛生管理
  (一般衛生管理:GMP、衛生的標準作業手順:SSOP、HACCP)

4.国際流通における食品安全管理基準・規格
近年、各国において食品等の国際的流通が広く行われているようになってきており、そのためにはGFSI(グローバル食品安全イニシアティブ)認証規格の取得が必要であり、これらの規格を紹介します。
1)国際流通のためのGFSI認証規格
2)国際食品安全規格の3つの安全管理要素